忙しいあなたに代わって毎日読書します。

忙しいあなたに代わって毎日読書します。

週5日で読書します。土日はお休み好きなことを書きます。

一生忘れない夏の物語【読書記録】

f:id:niconchang:20200608212743p:image

 

 

眩しくてキラキラした夏の物語ではありません。

泥を踏みつけたような後味の悪さと喪失感に襲われます。

 

f:id:niconchang:20200608212815j:image

 

この言葉から始まります。

まさかあんな悲劇が起こるなんて。

この言葉の持つ意味を軽く考えていました。

世の中で繰り広げられる出来事は、

子どもにとって衝撃的で歪んでみえます。

 

我が子は、どうか健やかに汚れを知らずに

生きていってほしいと願ってしまいます。

 

 

1.「風鈴」を3つの単語で紹介します。

 

▶︎友だち

私とワタルで遊んでいた夏休み。

東京から中学生のミヤビが遊びに来ることで

2人は翻弄されます。

子どもながらに残酷な世界があることを

思い出してしまいます。

 

▶︎大人

井戸へ落ちた時。

一人で歩いている時。

歪んだ大人たちの態度が恐ろしく表現されています。

純粋無垢な故に、大人たちの心をストレートに

受けてしまう子どもの心を覗いてください。

 

 

▶︎芸術

ワタルと工作をした思い出。

「風鈴」をみたこと。

芸術がキーワードになり、

物語の大切なシーンを担っています。

「風鈴」とは何か。

是非答え合わせをしてみてください。

 

 

 

 

2.この本をおすすめしない人

 

・キラキラした小説が読みたい人

・後味がどんよりするのが苦手な人

 

「風鈴」は私たちを

どんよりと底へ引き摺り込みます。

 

読み終えると穴に落ちたような、

確実に心に突き刺さるものがあります。

 

 

3.感想

 

小説を読んでいる途中の胸騒ぎを

久しぶりに感じました。

 

嫌な予感がするとき、勘が働いて

ざわざわすることがありますよね。

それを感じてしまった主人公と

変えることのできなかった運命。

 

物語はハッピーエンドで終わりません。

主人公は、

「風鈴」をみた小学生の夏休みの記憶は

今でもまだ心の深い部分にしまってあります。

月日が経ち、大人になってもなお

大人が怖いまま生きています。